感染性胃腸炎の報告数が急増しています

 

 大阪府感染症情報センターのHPによりますと、第43週(10月25日~10月31日)以降感染性胃腸炎の報告数の増加が続いており、第49週(12月6日~12月12日)の定点あたりの報告数は10.15人/週に達しています. 全国でも同じように増加傾向にあり、国立感染症研究所の病原微生物検出情報によりますと、原因ウイルスとしてノロGⅡとサポウイルスの検出が報告されています. ノロウイルスの感染予防の基本は手洗いです. 調理の前、食事の前、トイレの後などに、石けんを泡立てて洗浄し、温水による流水で十分にすすぎを行ないます. 嘔吐したら、吐物からの二次感染を予防するために、まず十分な換気をしながら、使い捨てのガウン(エプロン)、マスクと手袋を着用し、吐物をペーパータオル等で拭き取り、次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸水で浸すように床を拭き取って、その後水拭きをします. 拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して廃棄します. 吐物の処理の後には必ず石けんで手洗いを行ないます. 詳しくは食品安全委員会のHPなどを参考になさってください.
https://www.fsc.go.jp/sonota/dokukesi-norovirus.html
 一方、第33週(8月16日~8月22日)以降、季節外れの増加が続いていた手足口病の報告数は、第44週(11月1日~11月7日)をピークとして減少傾向にあります。国立感染症研究所の感染症発生動向週報2021年第43号の(注目すべき感染症)に取り上げられており、原因ウイルスとしてコクサッキーA16(CA16)とコクサッキーA6(CA6)が検出されているとのことです. CA16と比べてCA6による手足口病は、熱が高い、発疹が大きい、範囲が広いなどの傾向があるといわれています. 今後このまま終息していくかもしれませんが、今しばらくは注意が必要と思われます.

(プライマリ・ケア部会感染症対策委員会)

この記事は大阪小児科医会ISOP 312号(2021/12/17発行)に掲載されています。
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 未分類   投稿日:2021/12/17