麻疹患者が急に増加してきました

 

 2023年ヨーロッパ地域で麻疹の報告数が前年度の30倍以上に急増したことなどにより、本年2月に厚生労働省より注意喚起の事務連絡が発出されていましたが、その矢先、2024年第7週東京での1例目、第8週奈良での2例目に続いて、2月29日に東大阪市で20代男性の報告があり(2月24日アラブ首長国連邦から帰国、ワクチン歴なし)、この東大阪市の患者と同じ便に搭乗していた堺市の20代男性が3月7日に麻疹と診断されました(ワクチン歴なし). 3月14日までの時点で、この便の搭乗者から8名の麻疹患者が報告されています. これらの患者を含めて、全国では第10週までにあわせて11名の麻疹患者が報告されました。大阪府では第11週(3月11日~17日)に、さらに5例が報告されています.
 麻疹の予防にはワクチンが有効ですが、大阪府の2022年の第2期MRワクチン接種率は92.0%と95%を下回っており、今後の流行拡大が危惧されます. まずは第1期、第2期の定期予防接種をきちんと受けることが重要です. 小学生以上で麻疹の罹患歴や2回のワクチン接種歴の記録がない場合にもワクチン接種が勧められます.また、麻疹流行国への渡航を予定されている方で、麻疹に十分な免疫をお持ちでない方は、出国前にワクチンを接種するか、渡航そのものの再検討をお願いします.
https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/measles/MRvaccine_20180417.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/001221742.pdf

(感染症対策委員会)

 

この記事は大阪小児科医会ISOP 339号(2024/3/22発行)に掲載されています。
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 未分類   投稿日:2024/03/22