お風呂(熱があるとき)

 

cc044「先生、今日、この子をお風呂に入れてもいいですか?」

 診察が終ったあと、お母さんからよく質問されます。

 お風呂は、日本で昔から大切にされている生活習慣です。体を清潔にするだけでなく、新陳代謝を刺激し、寝つきをよくするなどの効果があります。お風呂を大切に思うお母さんが多く、このような質問が多いのでしょう。

 とくに「かぜをひいているとき」「熱があるとき」「予防注射のあと」お風呂に入れてよいかどうか、この3つが最も多い質問です。

 かぜをひいてせきや鼻水が出ていても、機嫌がよく元気で、熱がなければ、お風呂に入れてもよいでしょう。予防注射のあとは、一時間たてばお風呂に入れてよいことになっています。

 しかし「熱があるときのお風呂」これは難しい質問です。熱の高さや病気の種類によっても違ってきます。重い病気で熱が高い場合は、もちろん安静が第一であり、お風呂に入れてはいけません。しかしかぜなどの軽い病気で、熱があっても微熱の場合には、決まりはありません。この場合、医師の中にも、病気が悪化することはないので「お風呂に入れてよい」という意見と、体力の消耗や湯冷めを心配して「入れないほうがよい」という意見があります。病状によっても、医師の判断は変わります。お母さんの意向を尊重する場合もあるでしょう。

 このように、熱が高くない場合はケース・バイ・ケースということになります。お子さんのふだんの体調やお母さんの意向をよく知っている、かかりつけの小児科医にみてもらい、その指示に従いましょう。

 お風呂に入れない場合は、おしりが汚れたりかぶれたりしやすいので、洗面器に入れたぬるま湯におしりをつけて洗ってあげましょう。 暖かい季節であれば、シャワーを使うのもよいでしょう。首すじやわきの下は、お湯でしぼったタオルでふきます。これらはお母さんの判断でやってあげてください。

(絹巻 宏)