常備薬
「うちの子が熱をだすのは決まって日曜日か夜! 先生の所が閉まっている時なんです。ゆうべも急に高熱が出て救急病院へ夜中に行ったんですが、かぜが流行っていて3時間も待たされて、帰ってきたのは朝4時でした。本当に親泣かせの子どもです!!」月曜日の午前中に診察室でよく聞かれる会話です。実際赤ちゃんや子どもたちは日曜日や夜に具合が悪くなることが多いものです。週末の旅行などの疲れが日曜日に出たり、日中は遊びに夢中になっていて寝てから高い熱に気づくことなどがその理由です。子どもにかぎらず、大人やとくにお年寄りもやはり休日や夜に急変しやすいものです。これも子どもと同じ理由であり、また病院が閉まっているという不安感が大きな原因でしょう。夜中に子どもが高熱を出したらどうすればよいのでしょう。すぐ救急病院へかけつけるのも結構ですが、まず家庭で処置をして、落ち着けば、翌朝かかりつけ医を受診するのもじょうずな子育てと言えます。
ではそのような時、家庭に用意しておく常備薬にはどのようなものが適当でしょう。休日や夜に子どもたちを襲う症状には、急な発熱・頭痛・腹痛・下痢などがあります。これらの症状は重篤な病気の場合もありますが、多くはかぜの初期症状としてあらわれます。浣腸して排便するだけで腹痛がおさまることや、高い熱を下げることで頭痛や嘔吐がおさまることもよく経験するところです。夜中や休日に急にこれらの症状がみられても、他に重篤な症状がなければまず常備薬で様子をみましょう。常備薬で処置をしても症状が治まらない場合は必ずかかりつけの小児科医とよく相談してお子さんに必要なお薬を準備しておく、これで万全です。家庭の常備薬としてつぎのようなお薬をかかりつけ医と相談して準備しておいて下さい。
- 解熱剤(内服、座薬)
- 制吐剤(座薬)
- 浣腸液
- 消毒液や湿布・包帯(けがや打撲に対して)
- 体温計
- 氷のう
(小川 實)
子供が病気になったとき家庭でのケアと心得
投稿日:2006/09/01