「感染症」とのおつきあい
子どもが一番よくかかる病気、それは「感染症」です。「感染症」は微生物(ウイルスや細菌など=病原体)がヒトの体内に侵入しておこる病気です。子どもは育っていく過程で次々といろいろな感染症にかかります。子育て中、上手に感染症とつきあうコツをいくつか書いておきます。
1.子どもは病気をするものだ、と心得ておきましょう。
いつも元気な子が、鼻水や咳、熱を出したり、下痢、嘔吐でしんどそうにしていると、とても心配になりますね。でも、いろいろな細菌やウイルスの感染を体験することで、体を守る免疫力をつけ子どもは成長していきます。ただし、病気はいつかかるか予測不能です。「何でこんな時に限って・・」と、困ったことに、親の仕事や色々な行事に関係なく病気はやってきます。子どもは日頃どうしても親の生活ペースに巻き込まれがちですが、どうか病気の時は子どものペースにスローダウンしてやさしく見守ってあげて下さい。子どもはとても安心しますし、容態の変化を早くとらえることができます。子どもとひとつひとつ病気を乗り越えていくと、子どもが強くなるだけでなく親の子育て力もアップしますし、親子の絆も深まります。
2.病気になったら、経過をみることが大切です。
症状がでてすぐ受診しても、医師は急を要する状態かどうか判断しますが、病気を正しく診断できるとは限りません。症状は病気の初期から全部揃っているわけではなく、診断には「経過をみる」ことが欠かせません。「早く診てもらったから」必ず「早く治る」わけではありません。家庭で子どものようす(機嫌、食欲、活気など)をよく観察し、つらそうな時は早めに診察を受け、病状と治療の方針を確認しましょう。
ただし、生後3カ月までの赤ちゃんが熱を出した時、それ以降でも(又は大きくなっても)「何か普段と様子が違う」時は、できるだけ早く受診して下さい。親の直感はとても大事です。
3.予防接種は必ずうけましょう。
かかると怖い感染症にはワクチンが作られています。同じ病気でも、運良く軽くすむ子もいれば、治療を尽くしても、命を落としたり重い後遺症を残す子もいるのです。ワクチンのある病気はワクチンで防ぎましょう。予防に勝る治療はありません。
(板金康子)