二人目の子ども
生物は自己の生存を確かなものにするため、殆ど全て縄張りを持っています。鮎はその一例ですが、縄張りに入って来た他の鮎を体当りで排除しようとします。しかしその縄張りに多くの鮎を入れますと最早縄張りを作らず群鮎として共に餌を求めて行動します。
昔は普通であった子沢山の家庭では、一人位増えても別に何ということはありません。問題は一人っ子のところに新たに一人加わるときでしょう。二人目の子どもの生まれる時に問題があるのはむしろ本能的なことで、自然のことといえます。しかし上の子を観察してみますと、下の子の寝ているベビーベッドに、玩具やぬいぐるみをほうりこむ積極的抵抗型、赤ちゃん返りや夜尿再開などの消極的抵抗型が多く見られるのは、やむを得ないことです。しかし中には下の子を大変可愛がる子どものあることも事実です。まれではあっても全く無関心の子もあります。指導の必要なのは抵抗型の子に対してだけでしょう。両親は、上の子の抵抗は当然のことと受け入れることが必要です。だからといって上の子を甘やかすことによって問題を解決するのは良策とは言えません。下の子が大きくなってくるとまた問題が生じるからです。やはり両親は初めから、上の子も下の子も同じように可愛いのだと常に口に出して言うことです。毎日言っているうちに、それが正常のものとして定着してゆきます。育児には姑息な手段を用いず、自然体でやることが大切です。
(西村輝久)
家族とのかかわり
投稿日:2006/09/01