お手伝いをする
赤ちゃんはよちよち歩き出す頃からお母さんが何かしていると側に寄って来て手を出します。これは自分の相手をしてほしいと言うサインでもありますが、お母さんは何をしているのだろう? 私も仲間に入れてほしいと思っているからです。これがお手伝いのはじまりでしょう。
「邪魔だからあっちへ行って」とか「さわってはだめ!!」と拒否するとお手伝いがうまくできる子どもには育たないでしょう。例えば洗濯物をたたんでいる時寄って来て混ぜ返したり、つまんで投げたりします。その時様子をみながらうまくキャッチして「ありがとう、きれいにしましょうね」とたたみはじめると、お母さんの手元を不思議そうにじっとみます。又遊んでいたおもちゃを片付けるとき、「おかたづけ、おかたづけ」と声をかけながら整理箱におもちゃを入れると子どもも真似して入れるでしょう。うまく出来たら「上手ね」とほめ、失敗すれば「こうすればいいのよ」と手伝って(教えて)あげてみて下さい。
子どもはお母さんの喜ぶ顔ややさしい声が大好きです。こうして繰返していると段々上手に出来るようになり難しいことも次々と習得していきます。「手伝い」とは「手伝え」即ち「手ですることを伝える(教える)」と言うことで、その家のやり方や仕事のやり方を実際に大人がやってみせて、子どもがやり始めたら手助けを惜しまず、出来る喜びを覚えさせることと私は思います。そうすれば自然にお手伝いが出来るように育っていきます。
お手伝いのはじまりは「お邪魔虫」かもしれませんが、興味、関心をもちはじめたら拒否しないで仲間に入れてあげて下さい。はじめからちゃんとお手伝い出来る子どもはいません。一人でするより時間はかかっても一緒に色々していると次第に上手に出来るようになります。子どもが何とか出来るようになったら「お手伝いして」と頼んだらきっと「ありがとう」で終わるお手伝いをしてくれるでしょう。ある程度大きくなった子どもに「手伝いなさい」と命令したり「何も手伝わない」と叱ったりすることもなくなると思います。
お邪魔虫を仲間に入れてあげましょう。お手伝いをするのは楽しいことです。
(建石保子)