下の子が産まれたら
いつも元気よく診察室に入ってくる子がある日突然ハイハイして入ってきました。ニコニコ顔も曇りがち・・・下に妹が産まれたのです。「最近はなんにも言うことをきかないし、忙しいときに限って困らせるのです。」とお母さんも困り顔・・・
これも有名な「赤ちゃん返り」のひとつです。子ども自身もなんと表現したらいいかわからない中、必死でお母さんに「自分を見て!」とサインを出しているのです。
どんな子どもも一時は「赤ちゃん返り」などするようですが、少しでも上の子どもが安心できるように心がけたいものです。
まず、産まれる前から、産まれてくる赤ちゃんのことを話して、一緒に待ちましょう。
そして、「どの子どもも同じにかわいい」と繰り返し繰り返し伝えておくとずいぶんわかってくれますよ。いざ、赤ちゃんが生まれたら、お母さんは母乳をやったり、おしめを変えたりそれは忙しいものです。でもそんな中で、出来るだけ上の子どもとのスキンシップが大切です。ギュッと抱きしめたり、ひざにのせて絵本を読んだり、たまには、赤ちゃんを預けて二人で出かけたりしてはいかがでしょうか?上の子どもの赤ちゃんの時の写真を一緒に見て、同じようにかわいがられたことを伝えるのもいいアイデイアです。親も大きくなったその成長に感動することでしょう。
上の子どももおっぱいがほしいと言ったら、母乳もあげてみてください。おしめをしたいといったら、一度はしてみてはどうでしょう。どれも卒業しているはずです。
「わたしもかまってほしい」という気持ちを大切に応えてあげましょう。そして、できることは、上の子どもたちに手伝ってもらいましょう。とっても役に立つし、その一生懸命手伝ってくれている姿に心があったかくなります。
上の子どもも役立っていることに自信を持ち、立派なお兄ちゃん、お姉ちゃんになっていきます。
またお父さんも重要です。普段は忙しいお父さんも少し大きくなった上の子どもと一緒に、話したり、遊んだり、食べたり、お風呂に入ったり、父子関係を確立するチャンスです。お祖父ちゃん、お祖母ちゃんにも協力してもらいましょう。孫は無条件で可愛いもののようですから…
なにもかも自分で解決しようとせず、家族全体で育てる実感を持つチャンスです。
みんなで慈しみ安心して子育てを楽しみしましょう。
(藤谷宏子)