外国の育児 日本の育児
「日本へ来て一番良いと思ったことは、家族皆が一緒に同じ部屋で寝ることです。エミリーちゃんの息づかいか感じられて、とても安心です。」と話をしてくれたのは、ニュージーランド出身でオーストラリアで出産し、子どもが6か月になった時、大阪に来たお母さんです。
「でもシドニーに住んでいた時は、私はパートで働いていました。オーストラリアではとても簡単に保育所を利用することができます。育児をしながら働きやすくなっています。日本は保育所を利用することがとても難しい。」「それに日本へ来たらパパがとても忙しくなりました。夜帰ってくるのがとても遅いです。土曜日も仕事です。エミリーちゃんと遊ぶ時間がなくなりました。とても淋しいと思う。」たて続けに話をしました。
これはパパの心境というより、お母さんの淋しさを表現していると感じた。私は思わず、「お母さん。近くにお友達はいますか?気楽にお話のできる人はいますか?」と尋ねました。お父さんばかりではなく、お母さんが一人きりという状況になってはいないかと心配したからです。お母さんはニッコリ笑って、「先生、大丈夫。私にはお友達がいます。エミリーちゃんにもお友達がいます。」という返事が返ってきました。私はあーよかったと安堵しました。
この話から二つの事を考えさせられます。
オーストにリアと日本の社会のシステムの相違いです。
働いているお母さん達から保育所に空きがないとか、資格・条件が難しいという話をよく聞きます。もっとシステムを簡素にし、安心していつでも誰でも保育所を利用できるようにできないものでしょうか。
最近では「イクメン」という言葉ができたように、若いお父さんが育児に参加するようになってきました。が一方で若い子育て中のお母さんの心療内科への受診が増えているとも聞いています。
女性が育児と仕事を両立させるには、男性の理解と協力が必要です。私がアメリカ留学中の隣人、リンダ夫妻の夫マットの育児へのかかわり方は見事でした。
(木村弘子)