偏食
毎日の献立を考えることは、楽しくもあればわずらわしい事でもあります。今現在、待合室で今夜の献立を考えておられるお母さんもいらっしゃる事でしょう。そしてまず目に浮かぶのは子どもたちの喜ぶ顔ではないでしょうか。あの子はこれが好きだとかあれが嫌いだとか頭の中は子どもたちの大好きなメニューで占められてはいませんか?
一方、今日はお勤めや会合で時間がないとか忙しいとかの言い訳と共につい手っ取り早い「オカアサンハヤスメ」{オムライス・カレーライス・アイスクリーム・サンドイッチ・ハンバーグ・ヤキソバ・スパゲッテイ・メダマヤキ}料理、出来合い、半出来合いに傾きがちです。従って、必然的に口当たりの良い脂肪分の多い、高カロリー、野菜不足の食事になってしまいがちです。これでは成人病の芽を作っているようなものですね。また、子どもたちは子魚や海草類、茸類が苦手です。ミネラルやビタミンが不足すると疲れやすくなったり骨が折れやすくなったりします。また、繊維が不足すると便秘にもなります。
中には、口当たりがよいせいか牛乳ばかり飲んでいる子もいるようです。そうすると鉄分が不足して、体格は良いのに顔色の悪い子になってしまいます。テレビでは、色々おいしそうな食品の紹介をしていますが、それらの大部分は口当たりの良い高カロリー食です。例えばポテトチップス一袋のカロリーは牛肉150gのステーキに相当します。アイスクリーム1カップはハンバーガー1個分、またはヤキソバ1皿分と同じ位のカロリーを持っています。よほど気を付けないとおやつで満腹になり、まともな食事が摂れないということになってしまいます。
アトピー体質をもつ子どもの増加も高脂肪高カロリーの洋風の食事に一因があるといわれています。もっと、日本の伝統食を見直し、それらを食事に取り入れる工夫をしてみませんか?
例えば「まますてき」{まぜごはん・まるぼしいわし・すきやき・てんぷら・きんぴら}「おかあさんだいすき」{おから・かんとう煮又はかやくごはん・あずきごはん・さんま焼き・大豆煮又は大根煮・いわし煮又はいわし焼き・酢のもの・きりぼし大根}時には、カタカナの食生活からひらがなの食生活にかえてみましょう。
(井上喜久子)