ゲームを買い与える前に
ゲーム製作者の意図を知る
ゲーム製作者は、いかに「やめられない」ゲームを作るかを考えます。寝る間も惜しんでゲーム漬けになり、はまってやめられなくなれば成功なのです。
まず操作性が良い事、直感的に操作でき、画面が適切な応答をし、効果音・BGMが心理状態を増幅します。戦い・苦難と安息が交互に来て、数十秒~数分に1回の頻度で繰り返されます。課題をクリアすると印象的な映像や音楽を楽しめ、新しい展開を体験出来るという報酬が与えられます。人は難易度が中程度の課題に最も高い動機づけを持つとされます。操作は容易で、内容は複雑、感情移入しやすい世界観があり、謎解きなど続きを見たくなる物語性があると興奮を持続させることが出来ます。更に、自分の分身(アバター、キャラクター等)が経験により成長し、苦楽を共にする仲間ができ、仲間も一緒に成長するというロールプレイングゲームでは、ただやめられないだけではなく、ゲームの中に実社会とは異なる世界を発見しそこに住み着くようになります。その仮想空間には何百万人もの人がネットで繋がっており、様々な出来事がプレーヤーのゲーム進行に関わりなく起きます。そこで色々な行動をし、経験を積みます。技術の進歩は映像を現実的にし、人を引き付け離さなくなるサービスを日々改良し提供しています。依存性はより強くなっているのです。思うようにならない現実より、ネット上の仮想世界のほうが充実していると感じるようになる事はたやすいことです。オンラインゲームにはまるとは、魅力的な異世界に住みつき生活していると思い込む事に他なりません。引き込まれてしまうと実社会から時間的にも精神的にも引き離されてしまう危うさを持っています。
最近では乳児期からゲームをはじめる子が増え、長時間化しています。子ども達は携帯ゲーム機を持って公園に集まり、無線やネットは繋がっていても孤立して遊ぶ様になりました。そして、オンライン化される事で不特定多数の、時には悪意を持った他者からの影響を受け易いのです。
もともと社会に不適応傾向のある子どもがネットゲームにはまり易いことは事実ですが、依存しやすい人のみならず、普通の人でもゲームにはまり易い様に作られています。如何にやめにくく作られているかを知ってください。
(原 統子)