子どもの睡眠

 

cc089 安らかに眠る子どもを見ている時ほど親の喜びを感じることはありません。口をモグモグさせたり、にっこり笑う時など、どんな楽しい夢をみているのだろうかと親もうれしくなります。

 私たちの生活は地球の自転にあわせて24時間リズムで営まれています。しかし、人の体は生まれつき24時間のリズムを持っているわけではありません。生まれたばかりの赤ちゃんは日に16時間から18時間眠ります。しかも、昼夜関係なしに乳を飲んでは眠り、目覚めては乳を飲み、また寝ます。昼夜のリズムがはっきりしてくるのは生後3か月の頃で、それまで徐々に世の中のリズムにあわせる能力を獲得して行くのです。そのうちに午前と午後の2回の昼寝だけになり、2歳を過ぎれば午前の昼寝はなくなるのが普通です。平均睡眠時間も12か月頃には13~15時間ですが、午後の昼寝もしなくなる6歳頃には10時間まで少なくなります。

 乳幼児の睡眠時間が大人より多い理由の一つはレム睡眠という普通の睡眠とは違った種類の睡眠が多いことによります。レム睡眠の脳波ではまるで脳が活発に活動しているように見えますし、眼球も速く動いています。その時、夢をみているのだと言われます。赤ちゃんは楽しい夢をみるために眠ると言って良いのかもしれません。

 平均睡眠時間は年齢とともに短くなりますが、睡眠時間は子どもによって大変違います。「寝る子は育つ」といわれるように、睡眠は発育・成長に大切な役割を担っています。しかし、必ずしも睡眠の長さは問題ではありません。発育が順調で毎日機嫌良く過ごしているようであれば短くても心配はいりません。安らかな睡眠のためには、暑すぎたりさわがしくないよう環境を整えること、そして赤ちゃんが気持ちよく寝入るまでそばにいてあげることです。それは親にとっても、とても大切な時間です。

(富和清隆)

 

 睡眠   投稿日:2006/09/01