赤ちゃんの便秘
毎日赤ちゃんのおむつを替えているお母さんにとって、便のかたちや色、回数などは気がかりなものです。ときに排便がみられない日があると便秘ではないかと心配になります。排便の回数は、生後数週間は1日2~5回あり、その後1~2回に落ち着くのが一般的です。しかし、3か月頃の赤ちゃん(特に母乳児)で排便回数が減って数日に1回ということもよくあります。そんな時でも、機嫌良く哺乳して体重が順調に増えていれば、飲んだ乳が効率よく消化吸収されているのですから問題はないのです。
では、どんなときに便秘が問題になるのでしょう。排便回数が少ない(週2回以下)だけでなく、便が硬くうまく排便できない、肛門が切れて血がでる、おなかが張って機嫌が悪い、哺乳量が減った、飲んだミルクを吐くなどの症状があるときには対策を考えましょう。まずお腹を軽くさすってあげること、つぎに肛門の穴をこよりや綿棒などでくすぐってみて下さい。赤ちゃんの場合はそのような刺激を与えることも効果的です。幼児になると、毎日決まった時間に便器に座ってみるなどの習慣的なことも大事です。ただし、強制はしないことです。
便が硬くて出にくい時には、赤ちゃんでは砂糖水やマルツエキスを試してみます。離乳期には果物や野菜を加えてみる、幼児以降であればせんい分の多い食事をとらせて下さい。せんい分の多い食物は、オートミール・コーンフレーク・食パンなど穀類、こんにゃく・さつまいもなどのでん粉およびいも類、煮豆・おからなどの豆類、ごぼう・にんじん・白菜などの野菜類、その他きのこ類や海藻類などです。それでも出ないときは、くすりを用いることもできます。また、浣腸(いちじく浣腸)することによって直腸内にたまった便を出してすっきりするのも一法です。いずれも一度は小児科医と相談した上で使用された方がよいでしょう。診察する医師が病気が隠れていないか心配するのは、赤ちゃんの体重が減った、機嫌が悪い、排便がないのに便汁が漏れるなどを訴えられるときです。
(木野 稔)