脂漏性湿疹

　生まれて1～2か月から4か月ごろ、頭・顔の、特に額・眉毛の回り・小鼻のまわりの毛穴に沿って、赤くなったり、じゅくじゅくしたり、脂漏性の鱗屑^（1）やかさぶたで覆われたり、乳痂と呼ばれる黄色のかさぶたが付着したりするのが、『脂漏性湿疹』です。症状がはなばなしいので初めてお母さんになった人はびっくりしてしまいます。また、アレルギーかと心配する人もいるようです。乳児期のアトピー性皮膚炎とよくにているのでなかなか区別しにくいのですが、アトピー性皮膚炎よりはかゆみが少なく、一過性で、幼児期にはよくなります。乳児では皮脂分泌が激しくなることと、それに汗や細菌感染などが加わって起こってくるからです。また、冬にひどくなることがありますので、覚えておいてください。

　まず、赤ちゃんの鋭利な爪はよく切って、無用に掻かせないようにしてください。痂皮（かさぶた）が多いときは、オリーブ油を入浴前につけておいてからいつもどおりに洗ってください。何度か繰り返すときれいになおりますから無理をしないでください。洗うときはお母さんの手のひらで十分石鹸をあわだててから手ややわらかいガーゼなどで洗ってあげましょう。また、亜鉛華軟膏や白色ワセリンをぬったり、感染が加わると抗生物質の軟膏を、症状が激しいときはステロイドの軟膏を使うこともあります。まずは清潔に気をつけましょう。そして、なおりが悪い時やかゆみが強い時はかかりつけ医に相談してみましょう。

（今北優子）

用語解説：^（1）皮膚の角質層が厚くなってはがれやすい状態になっている状態のこと