あたまが大きい
さあ、ご家庭で「頭囲」を計ってみませんか。まずお母さんご自身の頭を触ってみて、頭の後ろの目印は真ん中で一番骨が突き出しているところ、前の目印は目の窪みのすぐ上。これらの目印を通るように巻尺で計りますと、生まれてすぐは男33.5㎝、女33.0㎝が平均です。男の子の場合、1か月36.8㎝、3か月41㎝、6か月43.5㎝、1歳46㎝と大きくなり、女の子の平均値はこれよりも少し小さめです。お手持ちの母子手帳に頭囲のグラフがありますので、お子様の毎月の頭囲をつけてみましょう。
近所の同じくらいのお子さんに比べて、うちの子は頭が大きいかなあと思ったら、まずは気軽に計ってみましょう。やっぱりすごく大きいとわかったら、まずお父さんの頭の格好を思い浮かべましょう。子どものころから頭が大きくて、帽子もいつも特大のものだったということが多いのです。母子手帳の頭囲グラフに2本の線が書いてあります。頭が大きくて上の線からはみ出していても、カーブにだいたい平行して頭が大きくなっていくのなら心配はいりません。ところが、ある時期から急にどんどん頭囲の曲線が上の方へ角度が変わってきたら要注意です。つまり、頭の大きくなり方が早すぎる場合は問題なのです。
また、1歳すぎまでのお子様の頭には、ひし形に骨が開いている「大泉門」(おどりこ)という骨の隙間があります。ここが盛り上がっている場合や、他のお子様に比べてとても広い感じがする場合は、一度小児科の診察を受けましょう。頭の超音波検査は簡単に出来ますので、脳の真ん中に水がたまる「水頭症」がないか、すぐに確認できますので安心です。
いったん閉じかけていた大泉門が再びどんどん開いてきたり、斜視が強くなったり、目の動きかたが少しおかしい場合には、CTスキャンやMRI検査といった精密検査も必要になります。小児のCT検査はエックス線被曝線量がきわめて大きいので、MRI検査が良いでしょう。頭の中に水や血液が貯まったり、腫瘍ができたりという場合もありますが、まずは何事も早期発見。家族みんなで母子手帳のグラフを書いてみましょう。
(木下 洋)