1か月健診
赤ちゃんが生まれて、生後1か月の時点で、お母さんとお子さんの健康チェックをするのが、「1か月健診」です。お産をされた産院や病院で受けるのが一般的です。赤ちゃんの診察は、産婦人科あるいは小児科の医師がしますが、以下、小児科医の立場から、一般的な1ヶ月健診の話をします。
診察の前に、赤ちゃんの身長・体重・頭囲・胸囲を看護師さんが測定し、母子手帳に記入します。医師は、その母子手帳を見て、妊娠中やお産の状況を把握し、保護者から、母乳やミルクの飲みや、ゲップや便の具合などを聞きます。それから、赤ちゃんを裸にして、診察にはいります。四肢の動き、元気さ、皮膚の具合や奇形の有無などを見ます。次に、聴診器で胸の音を聞き、心臓や肺の異常の有無をチェックし、その後、お腹を触り、異常な腫瘤(できもの)や膨満(腫れ)がないかをみます。次に頭を触って、頭の形や大泉門(ペコペコした頭蓋骨の空いている部分)の状態をみます。股の開き具合をみて、外陰部を触って異常の有無をみます。最後に、モロー反射などの神経学的診察をします。以上の計測、問診、診察により、赤ちゃんの成長・発達の評価を行い、保護者の心配事を聞き、育児支援を行います。1か月健診時に問題になりやすい事は以下のごとくです。1)栄養・体重増加の問題(母乳やミルクの量、ゲップ、便など)、2)湿疹(にきび、あせも、乾燥肌など)や母斑、3)臍ヘルニア、鼠径ヘルニア、陰嚢水腫、停留睾丸、4)心雑音、5)股関節脱臼、6)ビタミンK、7)育児、8)ワクチン、9)アレルギーなどです。大きな問題でなければ、次の3ヶ月健診の時に再度診察してもらいましょう。心配なことがあれば、それまでに診てもらいましょう。最近は、ワクチンの開始時期が早くなり、また何種類もあるため、この「1か月健診」を期に、今後のワクチン・スケジュールを組んでもらい、何でも相談できる「かかりつけ医」になってもらうのも良い機会かも知れません。
(住本真一)