幼稚園に行きたくない

 

cc140 幼稚園に行きたくなくなった子どもの一例を紹介しましょう。A子ちゃんは幼稚園での友達も多く喜んで毎日登園していました。ところが次第に行くのを嫌がるようになりました。そこで相談に見えたのですが、よく聞いてみますと行かない日は水曜日に限っているのです。幼稚園に聞き合わせても別に変わったこともありません。ただお弁当の日であるとのことでした。これはきっとお弁当に関係があると思い、お母さんに聞いてみました。初めのうちは何ということもなく、お弁当は無関係のように思われました。しかし何回か話をするうちに、A子ちゃんは小さい時から少食で、食べるにも時間がかかり、もう少し大きくなってほしいと思っていたのです。そこでお母さんはお弁当の時は皆と一緒だからよく食べるだろうと思い、少しいつもより多い目にお弁当を作ったのです。お母さんの思い通りA子ちゃんはお弁当を全部食べて帰って来たので、喜んでいたのです。しかし次第にお弁当の日に限って幼稚園に行かなくなってしまったのです。そこでお弁当の分量を今迄の半分にするようアドバイスしました。効果はてき面で、水曜日も喜んで行くようになりました。ここで分かったことは、子どもは子どもなりに親に気を使っているのだということです。お弁当のことを言ってお母さんの気を悪くさせる位なら、幼稚園に行かないほうがよいと子どもなりに判断しているのです。

 お母さんのお弁当多いからいや、少なくしてちょうだいと、はっきり言えるような子どもなら登園拒否は起こらないでしょう。しかし何となく言い難いこともあるわけです。ですから常日頃から、何でも言えるような家庭の雰囲気を作るのが大切なのです。最近は不況で父親は忙しい。母親も諸行事で何かと忙しい。ゆっくり語り合う時間がないということが、子どもとの心のつながりを妨げるのです。何でも打ちあけて話せる楽しい家庭を作って下さい。むつかしいかもしれませんが頑張って下さい。

(西村輝久)

 

 3歳ごろから小学生ころまで   投稿日:2006/09/01