子どもの自慰

 

自慰(オナニー、マスタベーション)

cc147 「娘がね、赤い顔をしてテーブルの角に股を押し付けてジーとしていたのだけど、あれは自慰?」と里帰りしてきた娘にそっと聞かれました。「そうよ。ふとお股が机の角かなにかにこすれた時に快感があって、自慰をおぼえたとおもうけれど心配いらないわ。また見かけたら声をかけて気をそらせてやるとか、だっこして。そのうちになおるから」と答えました。

 成人になるまでに男性は90%以上、女性では50%以上が自慰の経験をもっているといわれています。幼児では女の子の方がおおいそうです。寝入りばなや寝起きに布団のなかで内股をくっつけて真っ赤な顔でボーとしていることや、場合によっては顔面蒼白になって眼も一点を見つめていているために「てんかん」を心配して診察につれられてくることがあります。でも小学校に入る頃までにはしなくなることが多いのでそっと見守ってください。「そんなことをしてお行儀が悪い!」などと強く叱るとかえって羞恥心や罪悪感をもたせることになるのでよくないようです。遊びに誘うとかだっこしてあげましょう。おむつかぶれなど外陰部の炎症が自慰のきっかけになっていることがあるので、よくみて、あれば治療することも大事です。

 男の子がおちんちんをさわることや女の子が下着のなかに手を入れてお股を触ることは普通によくあることです。汚い手で触って男の子なら包皮炎を起こしておちんちんが腫れ上がり、女の子なら外陰炎をおこしておりもので下着が汚れると診察に連れられてくることがあります。そんな時は「汚い手でさわるとばい菌が入ってこんなになるから汚い手でおちんちんを触ったりお股を触らないようにしようね」と教えるようにしています。

(山上佳代子)

 

 3歳ごろから小学生ころまで   投稿日:2006/09/01