学校における健康診断

 

cc157 学校でおこなわれる健康診断は(1)児童生徒らの健康診断、(2)職員の健康診断、(3)就学時健康診断があります。また健康診断は定期健康診断と臨時健康診断に分けられ、その実施については学校保健安全法施行規則により定められています。

 保護者の皆さん、これらの学校でおこなわれる健康診断、検診の実際はご存知ですか? 身体計測、栄養状態、視力・聴力、耳鼻咽喉・皮膚・口腔の異常の有無、結核、心臓病、腎臓病、寄生虫卵などありとあらゆる項目の健康診断の実施が学校保健安全法で決められています。心臓検診(心電図検診)や腎臓検診(検尿)のことはご存知の方が多いと思います。でも新学期に学校医がおこなう定期健康診断のことはあまりご存じないのでは…。学校医は自院の診療のあい間に、学校の先生とあらかじめ決めた時間帯に学校へ行き、数百人の児童・生徒の健康診断をおこないます。多くの場合、一つの小・中学校に学校医は一人ですから、2~3回に分けて健診をするのが通常です。学校保健安全法で定められた健診項目を診断するため、まず顔色と表情、皮膚の色調と湿疹などの皮膚疾患の有無、眼瞼結膜で貧血の有無をチェックし、頚部リンパ腺や甲状腺疾患の有無を触診で明らかにし、つぎに心雑音の有無、心音異常・呼吸音異常の有無を聴診します。最後に背中を診て脊柱側弯の有無をチェックします。

 健診の際、児童・生徒本人や保護者の方に記入してもらう健康調査票が情報として非常に重要ですが、健診時に調査票がそろわないこともよくあります。また、診察の際に健康状況に関して児童・生徒や養護教諭に質問することは厳禁とされています。後ろで順番を待っている生徒に聞こえ、プライバシーの侵害になるからです。最近は、恥ずかしがって上半身裸になることを拒否する女児・男児が多く、養護教諭もこれを容認しています。顔も直視できず、皮膚の様子も診られず、衣服の上から聴診器をあて、無言で作業を進めるこわい学校医のおじさん! これってこども達にとっても迷惑ですよネ! 学校でおこなわれる健康診断についてみんなで考えてみませんか?

 そのための場として学校保健委員会という集まりが学校保健安全法で定められています。

(小川 實)

 

 健診   投稿日:2006/09/01