溺水

 

cc174 溺水は、予防できる傷害です。予防するポイントを学びましょう!

Q:子どもが溺れることは、よくあることですか?

 溺水の発生数は、登録するデータベースがないため実数はわかりません。しかし、死亡数からみると、「不慮の事故」のうち交通事故に次いで多い傷害です。平成20年の統計によると、全国で0~14歳の子ども102名が溺水で死亡(溺死)しています。

Q:溺れたときはどうなるの?

 溺れて、呼吸が出来なくなり酸素がたらなくなると、心臓がとまってしまいます。心臓がとまったケースは亡くなることがしばしばで、蘇生されても脳に重い後遺症を持つ場合がほとんどです。病院に運ばれたときに意識がはっきりしていない場合は、一般的に予後は良くありません。救出されたときに意識がはっきりしていても、肺に水が入り後に肺炎になることもあります。

Q:どのようなケースがありますか?

 子どもでは、乳児1~4歳それ以上の年齢で、年齢階級層で傾向が異なります。

 乳児や幼児では家庭内が多く、それ以上の年齢では屋外が多くなります。最近報告されている例では、足入れ式浮き輪(パンツ型シートの付いた浮き輪)や首掛式乳児用浮き輪を浴槽で使用して、目を離したスキに子どもが溺れていたという事例があります。

Q:あぶない場所は、どのような場所ですか?

 横になり口と鼻が水没する程度の水位があれば、どこでも溺れてしまう可能性があります。

 家庭内:お風呂・ビニールプール・トイレなど 屋外:海・プール・川・池・用水路など

 屋外では夏場が多くなりますが、冬場では氷の張った池などで遊び、溺れることもあります。

Q:予防のポイントを教えてください。

  1. 水回りでは目を離さない
     乳幼児では、入浴、プール、温泉など、たとえ短い時間であっても目を離してはいけません。また、小さな兄弟姉妹が一緒に入っているからと言って油断してはいけません。
     乳幼児がプールや海に入るときは、親御さんは手が届く範囲で子どもを見守りましょう。
  2. あとかたづけは大切
     入浴後には浴槽のお湯を抜くこと。自宅用のプールで遊んだ後は水を残さない。家庭内でリスクを減らしましょう。
  3. レジャーの際でも安全を意識して
     ボートなどに乗る際、釣りなどの水辺での遊びの際は、ライフジャケットの着用をお勧めします。監視員が不在の海での海水浴は避けましょう。
  4. 最後の頼りは親御さん
     水辺のレジャーの際は、親御さんが飲酒することは避けましょう。子どもたちに水辺の危険性を教えましょう。
     心肺蘇生法を学び、実践できるように日頃から練習しましょう。溺れている人を見つけたら、すぐ助けをよびましょう。溺れたのち、反応がなく・正常な呼吸がなければ、しっかり胸骨圧迫を開始しましょう。可能なら人工呼吸付きの蘇生法を行いましょう。

(新田雅彦)

 

 事故と安全   投稿日:2013/05/01