口腔アレルギー症候群(OAS)、ラテックス・フルーツ症候群
最近、口腔アレルギー症候群や、ラテックス・フルーツ症候群など耳新しいことばを聞きます。一つずつ見ていきましょう。
口腔アレルギー症候群
アレルギー学会での定義は、「口腔に限局したIgE抗体を介した即時型アレルギー症状のことで、主な原因食品として生野菜や果物が知られている。患者の多くは花粉症を合併している。」です。これはつまり、いわゆるアナフィラキシー・ショックを起こす食物アレルギーではなく口の中だけに限っておこるアレルギー反応です。多くは花粉症を合併する学童期以降におこります。花粉のなかのアレルギーを起こす物質が、生野菜や果物と交差して症状を起こします。ただ、花粉症にまだかかっていないこどもに発症することもあります。子供たちは口がビリッとするという表現をすることが多いです。何かを食べて「口が変」と子どもが訴えたら、アレルギーの専門医に相談しましょう。
ラテックス・フルーツ症候群
ゴム風船を膨らませている時、唇がはれてきたり、手で触っていると手がかゆくなってじんましんがでたり、水ぶくれができることがあります。これはゴム風船に含まれているラテックスという物質に対するアレルギーの可能性があります。このアレルギーの時は、35%くらいに、アボガド、クリ、バナナ、キウイフルーツなどの果物に反応します。ラテックスとの交差反応により出現するアレルギーです。それで、ラテックス・フルーツ症候群とよばれています。大人の場合はゴム手袋などで反応することが多いですが、子供の場合はゴム風船のほか、長靴、歯医者さんの矯正用のゴムなどでも発症することがありますので、注意しましょう。このラテックス・フルーツ症候群は口腔アレルギーと違ってアンフィラキシーショックをおこすことがありますので、注意が必要です。
その他、桃やサクランボなどのバラ科の果物や、カシューナッツやピスタチオなどのウルシ科のナッツ、スイカ、メロン、カボチャなどのウリ科の野菜などアレルギー反応は、本当に多くの原因でおこります。果物や生野菜でのアレルギーはいろいろな反応をおこすことがありますので、アレルギー専門のお医者さんに相談してください。
(藤谷宏子)