鼻血

 

cc231 「この子はしょっちゅう鼻血を出します。何か悪い所があるのでしょうか。」とよく聞かれます。お母さんの聞きたいことは、鼻血が出た時にどうすればよいか、血液の病気がないかということでしょう。鼻の入り口には毛細血管が多いので、指を入れてかいたりするとびっくりするほど鼻血が出ることがあります。鼻血が出たら、1.うつむきかげんに座らせる、2.出血側の小鼻を指で強く押さえる、3.冷たいタオルや保冷剤で鼻を冷やす、4.鼻血を飲み込まないように吐き出させるなどの処置をします。鼻血の処置でしてはいけないことは、首を後ろに曲げたり叩いたりしないこと、仰向けに寝かせないことです。あわてないで、落ち着いて子どもを安心させましょう。このような処置を10~15分以上続けても止まらないか、出血量が多いときはかかりつけの小児科か耳鼻科を受診してください。鼻血は一度出ると繰り返すことがあります。時にアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が原因で治療が必要なことがあります。鼻血は血液が固まって一時的に止まっているので血餅(血の塊)が剥がれるとまた出血します。繰り返す時には耳鼻科で手当てしてもらいましょう。

 さて、お母さんの心配事の一つは特別な病気が隠れていないかという事です。ほとんどの鼻血は心配ありませんが、まれに白血病や血友病など血液の病気があります。私が経験した4歳の男の子は鼻血が3日間止まらず、鼻にボスミン綿球をつめ耳鼻科医に止めてもらいました。顔色が悪く貧血があり血が止まりにくくフォン・ヴィレブランドという病気でした。血液の病気がある場合は鼻血以外に、紫斑(あざ)や関節の中の出血などが見られることが多いのです。頑固な鼻血がみられる場合はこの病気が疑わしいといわれています。注意すべき症状は(1)鼻血と出血斑(あざ)が繰り返し見られる、(2)鼻血が止まりにくく耳鼻科医の処置を必要とした、(3)明らかな出血性貧血がある、(4)新生児期に臍(へそ)出血が見られたなどです。血液の病気を持つ子どもはまれですが、上に書いた症状があるような時にはかかりつけ医に相談してください。

(木村三郎)

 

 みみ・はな・のど   投稿日:2006/09/01