クループ(喉頭炎)と喉頭蓋炎

 

クループ(喉頭炎)

cc234 喉頭はのどの奥から気管の始まるまでの部位(上気道)を言います。この部位の炎症はクループとか喉頭炎と呼ばれています。症状は声がかすれたり、犬の吠えるような咳をしたり、息を吸う時にゼーゼーを認めることなどです。様々なウイルス感染が原因で、寒い季節に多く見られます。ありふれた疾患で軽症な場合が多いのですが、時に重症な場合もあります。夜間に呼吸が悪化する場合がしばしばあります。呼吸困難が強くなった場合、緊急に受診する必要があります。治療は喉頭の腫れをとる薬剤を吸入したり、ステロイド剤を投与します。家庭での治療は部屋を加湿し、水分をよく摂取することです。

喉頭蓋炎

 喉頭蓋炎はインフルエンザ菌(Hib菌)という細菌により、喉頭蓋から声帯の部位に炎症を起こす病期です。症状はよだれを流し、飲み込みが出来なくなり、こもった声と高熱、呼吸困難が見られます。急激に窒息を来し、死亡する可能性のある非常に危険な疾患です。

 治療は気管にチューブを挿入し気道確保することと、抗生物質の投与です。

 この疾患多くはありませんが生命の危険のある重症な疾患です。Hib菌はこの他に細菌性髄膜炎、肺炎、中耳炎の原因でもあります。幸いなことにHibワクチンによりこれらの疾患は予防可能となります。Hibワクチンの普及によりこれらの重症な疾患が少なくなることが期待されます。是非Hibワクチンを受けるようにしましょう。

(橋本 卓)

 

 みみ・はな・のど   投稿日:2006/09/01