鵞口瘡・口内炎・口角炎

 

cc240 口腔粘膜に日常的によく見られる疾患のうち、比較的多いのが口内炎です。そこで、口内炎について少し説明致しましょう。口内炎は口腔内だけ炎症があるもの、おもな原因が口腔以外にあるもの、に分けられますが、今回は口腔内に限定されたものについてお話します。代表的なものはアフタ性口内炎ですが、アフタとは口腔の局部に現れる炎症の微候に対して名付けられた言葉で、(つまり、このような独立疾患があるわけではありません)潰瘍の一つの状態に対して名付けられました。アフタ性口内炎は円形の小潰瘍で、痛みがあったり、周囲が紅く、ときに表面に繊維性の白い薄膜が付着したりしていることもあります。多くの場合、症状は7日くらいで軽減し、15日くらいで訴えはなくなります。ただ、治っても別の部分に新しく発生し、それがつぎつぎに起こることもありますが、普通は伝染しません。処置としては局所処置をすれば良いでしょう。小学生から50歳くらいまでの人に多くみられます。

 次に鵞口瘡ですが、鵞口瘡では舌の表面や頬、口唇粘膜に、おから様の乳白色のふわふわした苔が斑状に散在し、強く拭くと取れて赤くなりますが、すぐにまた白苔ができます。自覚症状はほとんどありませんが、軽度の接触痛を訴えることもあります。原因はカンジダというカビの一種による感染症です。同居している乳児に伝染することがありますので、口腔内を清潔に保ち、哺乳瓶の乳首などは別のものにすると良いでしょう。反復したり難治性の場合は細胞性免疫不全が疑われる場合もあります。

 最後に口角炎ですが、口角部より皮膚に向かって亀裂が生じ、その上に白色または黄白色の苔や痂皮が付いています。発赤とびらんのために湿潤し、口を大きく開けると激痛があり、痂皮を剥がすと出血します。小児の場合は治りやすく、患部を清潔にすることも治療法の一つです。

(蔭山尚正)

 

 消化器   投稿日:2006/09/01