ママが見つける腸重積

 

cc245 腸重積の第一発見者はママであってほしいのです。

 

  1. 急に機嫌が悪くなる。
  2. 嘔吐をする。
  3. 間をおいておなかが痛む。(ものを言わない子どもはこの時に泣きます)
  4. 便に血が混じる。
  5. おなかを軽く撫でると硬いところがある。(これは体を動かすと、なくなることがありますから、診察に来られたときには触れないことも多いのです)
  6. 食欲がない。

 

  こんな症状で発病します。腸炎などで発病すると熱が出ることが多いのですが、腸重積の場合はほとんど熱は出ませんから、体温を計ることが診断の参考になります。

 これらの症状の全部が揃うことは少なく、診断が難しいことも多いのです。腸重積は生後数か月から、3歳ぐらいまでに多く、そんなに稀な病気ではありません。腸の中に腸がたたみこまれて、腸が詰まって動かなくなり、腸閉塞の状態になるのです。

 レントゲンや超音波検査で見ながら浣腸をして診断をつけますが、それは同時に治療にもなります。しかしこの方法で治らないときや、発病から長い時間がたったときには手術が必要になります。

 時間が経つと、腸に穴があいたり、腸が腐ったりします。こんなときは、腸の一部を切り取ってつなぐという難しいことになります。

 子どもの機嫌が悪いときは、腸重積を疑うことだけは忘れないで下さい。それがママが見つける腸重積です。

(余田 篤)

 

 消化器   投稿日:2006/09/01