ママが見つける腸重積
腸重積の第一発見者はママであってほしいのです。
- 急に機嫌が悪くなる。
- 嘔吐をする。
- 間をおいておなかが痛む。(ものを言わない子どもはこの時に泣きます)
- 便に血が混じる。
- おなかを軽く撫でると硬いところがある。(これは体を動かすと、なくなることがありますから、診察に来られたときには触れないことも多いのです)
- 食欲がない。
こんな症状で発病します。腸炎などで発病すると熱が出ることが多いのですが、腸重積の場合はほとんど熱は出ませんから、体温を計ることが診断の参考になります。
これらの症状の全部が揃うことは少なく、診断が難しいことも多いのです。腸重積は生後数か月から、3歳ぐらいまでに多く、そんなに稀な病気ではありません。腸の中に腸がたたみこまれて、腸が詰まって動かなくなり、腸閉塞の状態になるのです。
レントゲンや超音波検査で見ながら浣腸をして診断をつけますが、それは同時に治療にもなります。しかしこの方法で治らないときや、発病から長い時間がたったときには手術が必要になります。
時間が経つと、腸に穴があいたり、腸が腐ったりします。こんなときは、腸の一部を切り取ってつなぐという難しいことになります。
子どもの機嫌が悪いときは、腸重積を疑うことだけは忘れないで下さい。それがママが見つける腸重積です。
(余田 篤)
消化器
投稿日:2006/09/01