おしりのトラブル
1.肛門周囲膿瘍・痔ろう
肛門のまわりの皮膚の下にできる「おでき」で、1歳未満の男児に多く、肛門の側方にできることが多いようです。(1)肛門のまわりの皮膚の下が硬く腫れて(2)次第に赤くなって腫れがひどくなり(3)膿がたまってきます。その子は痛みのために泣いたり機嫌が悪くなったりします。小児科や外科に受診して下さい。膿んできたら膿を出します。その後圧迫したりして膿をできるだけ最後まで出し切ります。原因としては肛門の奥の腸に膿がたまって肛門の周りの皮膚に症状が出てくるもの(痔ろう)、ひどいおむつかぶれによるもの等です。下痢をした時に悪化する事が多いので、下痢の時は食事療法や整腸剤等の飲み薬、またおむつかぶれがある時はその治療(軟膏を塗ったり、皮膚の清潔・乾燥を保つ)が大切です。乳児痔ろうは1歳までに治る事が多いようですが、治りにくい時は外科に受診しましょう。
2.裂肛・見張りいぼ
裂肛は乳幼児の血便の原因の1つで、硬い便を排出した時や急激な下痢便を排出した時に、肛門の奥が切れておこります。見張りいぼは、裂肛のまわりの皮膚が増殖していぼのように肛門から皮膚が飛び出したもので、離乳食開始後の乳児・幼児・女児におこりやすく、肛門の前後方向(特にお腹側)に多くみられます。排便時に痛みや出血があり、そのため便をしなくなり、余計に便秘になる事を繰り返します。次の事に注意して下さい。(1)朝早く起きて毎日決まった時間に食事をして排便する(できれば朝食後)習慣をつける(2)食物繊維(野菜・海草・穀物等)を多く含む食事を摂るように心がける(3)肛門をぬるま湯で洗浄・乾燥して清潔に保つ(4)便秘がひどいときは便を軟らかくする飲み薬を飲む(5)痛みが強いときは座薬や軟膏を使う
(岡本裕宏)
消化器
投稿日:2006/09/01