紫斑病

 

cc264 大切な子どもさんの皮膚にふと気がつくと、赤いあざや青いあざが出ていることがあります。これらを透明な物差しで押しつけても色が消えることがない場合、赤いあざを出血斑、青いあざを紫斑と呼んでいます。通常は強くものにぶつかったり、強く掻いたりした場合に出ることが多いのですが、何もないのにちょっと打っただけで出たりする場合は少し注意が必要です。皮膚だけでなく鼻血がなかなか止まらないといった場合もあります。

 また、血友病の場合は関節に出血をおこして腫れたりします。普段、私たちの体の中では1)血小板、2)凝固因子、3)血管の3つの因子が力を合わせることによって出血を止める仕組みになっています。従って原因もこれら3つの要因に分けて考えることができます。

 まず一つ目は出血を止める働きをする血小板が減少している場合です。血小板だけが減ってくる血小板減少性紫斑病や、他の赤血球や白血球も減少する再生不良性貧血、異常な白血球が増加する白血病等の場合があり、いずれの場合も入院して治療する必要があります。念のため病院を受診するようにしましょう。

 二つ目は血友病に代表されるような血液の中の凝固因子が何らかの原因で減少する病気です。筋肉や関節の中に出血することが多く筋肉や関節が腫れることによって気付かれます。

 三つ目は血管性紫斑病(アレルギー性紫斑病)という病気です。かぜをひいたあとに起こることが多く、手や足の出血斑に加え手や足の関節が腫れたり、おなかの痛みを訴えます。おなかの痛みは、ひどいときは真っ赤な血便を伴うこともあります。多くの場合これらの症状は、1~2か月で治まりますが、経過中に腎炎(紫斑病性腎炎)を起こすことがあります。いったん腎炎が起こってしまうと治療経過も数年にわたる場合があり注意が必要です。赤いあざ(出血斑)や青いあざ(紫斑)は多くの場合心配しなくて良い場合が多いのですが、これらの症状が続く場合は一度かかりつけ医に相談することをお勧めします。

(塚田周平)

 

 その他   投稿日:2006/09/01